実家が空き家になる前に。家族で話しておきたい5つのこと

実家の将来について親世代と子世代が穏やかに話し合う家族のイメージ

「実家を将来どうするか、家族で話したことはありますか?」

親が元気に暮らしているうちは、なかなか話題にしにくいものです。

しかし、施設への入居や相続などをきっかけに住む人がいなくなり、そのまま空き家になるケースもあります。

国土交通省の「令和6年空き家所有者実態調査」では、空き家の取得方法の57.9%が「相続」でした。また、相続前に何らかの対策をしていた世帯では、「被相続人との話し合い」が最も多くなっています。

空き家になってから慌てて考えるのではなく、まだ実家が「いつもの家」であるうちに少しずつ話しておく。

今回は、そのために家族で確認しておきたい5つのことを考えます。

目次

① 実家を将来どうしたいか

まず話しておきたいのが、家を将来どうしたいかということです。

「できれば家族の誰かに住んでほしい」
「住む予定がなければ売却してもよい」
「思い入れがあるので、しばらく残しておきたい」

家に対する考え方は、人それぞれです。

親にとって長年暮らしてきた家は、単なる建物ではありません。家族との思い出や、地域とのつながりが積み重なった場所でもあります。

そのため、最初から「売る・残す」を決めようとすると、話し合いが難しくなることもあります。

まずは、

「この家を将来どうしたいと思っている?」

と、お互いの気持ちを聞くところから始めてみてはいかがでしょうか。

② 家や土地の名義を確認する

次に確認したいのが、土地や建物の名義です。

「実家だから当然、親の名義だろう」と思っていても、実際には祖父母など、以前の所有者の名義が残っていることもあります。

また、相続によって不動産を取得した場合の相続登記は、2024年4月から義務化されています。不動産を相続したことを知った日から、原則3年以内に登記を申請する必要があります。

将来の相続を考えるうえでも、

  • 土地と建物は誰の名義なのか
  • 登記関係の書類はどこにあるのか
  • 固定資産税などの書類は誰が管理しているのか

といった基本的な情報を家族で共有しておくと安心です。

分からないことがあれば、法務局や司法書士などの専門家へ相談することもできます。

③ 空き家になったとき、誰が管理するか

家は、人が住まなくなった後も管理が必要です。

換気や通水、庭木や雑草の手入れ、郵便物の確認、建物の点検など、思っている以上にやることがあります。

近くに住んでいる家族なら対応できることでも、県外など遠方に暮らしている場合は負担が大きくなることもあります。

「そのときになったら誰かがやるだろう」ではなく、

  • 誰が定期的に様子を見に行くのか
  • 家族だけで管理できるのか
  • 必要に応じて管理サービスを利用するのか

などを、あらかじめ考えておくことが大切です。

管理されない状態が続けば、建物の傷みだけでなく、庭木の越境、防犯、衛生面など、周辺地域へ影響することもあります。

④ 売る・貸す・使う・解体する選択肢を知っておく

空き家になった家の選択肢は、「そのまま残す」だけではありません。

例えば、

  • 家族が住む
  • 売却する
  • 賃貸する
  • 地域などで活用する
  • 建物を解体する

といった方法があります。

どの方法が適しているかは、建物の状態や立地、家族の意向によって異なります。

大切なのは、空き家になってから初めて考えるのではなく、どのような選択肢があるのかを事前に知っておくことです。

国土交通省の調査では、相続前に何も対策をしていなかった空き家は、対策をしていた空き家と比べて、活用や解体の意向がないまま空き家として所有され続けている割合が約1.5倍となっています。

事前に少し考えておくだけでも、将来の判断はしやすくなります。

⑤ 家のことを「話しにくい話題」にしない

実家の将来について話すことは、相続や親の老後にも関わるため、切り出しにくいものです。

だからこそ、一度の話し合いですべてを決める必要はありません。

例えば、

「最近、家の修繕も増えてきたね」
「この家、将来どうしたい?」
「書類を整理するついでに名義を確認してみようか」

そんな日常の会話から始めてもよいのです。

大切なのは、空き家になった後に初めて家族で話すのではなく、まだ選択肢が多いうちに少しずつ考えておくことです。

国土交通省の調査でも、相続前の対策として「被相続人との話し合い」が最も多く行われています。

空き家の問題は、家族だけの問題ではない

空き家は所有者や家族の財産ですが、状態によっては地域にも影響します。

庭木や雑草が伸びる。外壁や屋根が傷む。不法侵入が心配になる。

こうしたことが重なると、近隣住民の暮らしにも関わってきます。

だからこそ、空き家になった後の対応だけでなく、空き家になる前から考えることが重要です。

家族が早めに準備をしておくことは、将来の負担を減らすだけでなく、地域の住環境を守ることにもつながります。

まとめ|「まだ住んでいるうち」に話しておこう

実家の空き家対策というと、誰も住まなくなった家をどうするか、という話に思えます。

しかし、その前にできることがあります。

家を将来どうしたいのか。
名義はどうなっているのか。
誰が管理するのか。
どのような選択肢があるのか。

そして何より、家族で家の将来について話しておくことです。

今すぐ答えを出す必要はありません。

実家がまだ「いつもの家」であり、家族が元気に話せるうちに、少しずつ考えておく。

その小さな準備が、将来の家族の負担を減らし、地域の空き家問題を防ぐ一歩にもなります。

参考情報

この記事では、空き家や相続に関する最新の公的情報を参考にしています。

※制度や統計の内容は変更される場合があります。詳しくは各機関の最新情報をご確認ください。

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