「地域の人が学校に関わる」と聞くと、登下校の見守りや学校行事のお手伝いを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
実は今、学校と保護者、地域住民などが一緒になって、子どもたちの学びや成長を支える「コミュニティ・スクール」という仕組みが全国で広がっています。
学校だけ、家庭だけで子どもを育てるのではなく、地域も一緒になって考える。
コミュニティ・スクールとはどのような仕組みなのか、地域にはどのような関わり方があるのかを見ていきましょう。
コミュニティ・スクールって何?
コミュニティ・スクールとは、「学校運営協議会」を設置している学校のことです。
学校運営協議会には保護者や地域住民などが委員として参加し、学校運営の基本方針を承認したり、学校運営について意見を述べたりします。
単に地域の人が学校行事を手伝うだけではなく、「どのような子どもを育てたいか」「学校と地域で何ができるか」を一緒に考える仕組みであることが大きな特徴です。
文部科学省の2026年4月の資料によると、2025年5月1日時点で全国の公立学校33,910校のうち22,009校、64.9%がコミュニティ・スクールを導入しています。前年度から1,856校増えており、全国的に広がっていることが分かります。
なぜ、学校と地域の連携が必要なの?
子どもを取り巻く環境は変化しています。
少子化や人口減少、地域のつながりの変化に加え、学校が抱える課題も多様になっています。
こうした課題のすべてを、学校や先生だけで解決していくことは簡単ではありません。
一方、地域にはさまざまな経験や知識を持った人がいます。
学校と地域が目標や課題を共有し、それぞれの強みを生かすことで、子どもたちの学びや体験の幅を広げることができます。
文部科学省も、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に進め、学校・家庭・地域が連携して子どもたちの成長を支える体制づくりを推進しています。
地域の人は、どんなことができる?
学校と地域の連携というと、「何か特別なことをしなければ」と感じるかもしれません。
しかし、地域学校協働活動にはさまざまな形があります。
例えば、登下校の見守り、授業の補助、放課後の学習や体験活動、地域の歴史や文化を伝える活動、地域行事や防災活動などです。文部科学省も、地域住民や企業・NPO、PTA、子ども会など、多様な主体が関わる活動を想定しています。
仕事や子育てなどで継続的な参加が難しくても、「できるときに、できること」で関わる方法はあります。
地域の大人とのさまざまな出会いは、子どもたちが地域を知るきっかけにもなります。
「学校を支援する」だけではない
地域と学校の連携は、地域が一方的に学校を支援するだけの関係ではありません。
子どもたちが地域のお祭りに参加したり、地域の歴史や産業について学んだり、地域課題について考えたりすることも、地域学校協働活動の一つです。
つまり、
地域が学校を支える。
学校や子どもたちも地域と関わる。
そんな双方向の関係をつくることがポイントです。
文部科学省は地域学校協働活動を、地域全体で子どもの学びや成長を支えるとともに、「学校を核とした地域づくり」を目指す活動と位置づけています。
まずは学校や地域の活動を「知る」ことから
「地域で子どもを育てる」といっても、すべての住民が学校運営に深く関わる必要はありません。
まずは、自分の地域の学校でどのような活動が行われているのかを知ることも大切です。
学校だよりを見る。地域の行事を知る。登下校する子どもたちにあいさつをする。参加できそうな活動があれば、無理のない範囲で参加してみる。
そうした小さな接点も、学校と地域の関係をつくる一歩になります。
子どもを真ん中に、学校と地域がつながる
コミュニティ・スクールで大切なのは、制度を導入すること自体ではなく、その仕組みを生かして「どんな子どもたちを育てたいのか」を学校と地域で共有することです。
文部科学省も2026年3月に、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に進めるための新たな手引きを公表し、導入だけでなく取組の充実を進めています。
学校、家庭、地域。
それぞれの立場や役割は違っても、「子どもたちが安心して学び、成長できる地域にしたい」という思いは共有できます。
まとめ|地域みんなで子どもの成長を支える
コミュニティ・スクールは、学校と保護者、地域住民などが一緒になって、学校や子どもたちの未来を考える仕組みです。
登下校の見守り、地域の文化を伝える、学校の活動を知る、子どもたちにあいさつをする。
関わり方は一つではありません。
できる人が、できるときに、できることから関わる。
そんな小さなつながりを重ねながら、学校だけでも家庭だけでもない、地域全体で子どもたちの成長を支える環境をつくっていくことが大切です。
この記事では、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動に関する文部科学省の情報を参考にしています。
- 文部科学省「コミュニティ・スクール及び地域学校協働活動 実施状況調査」
全国の公立学校におけるコミュニティ・スクールの導入状況などがまとめられています。2025年5月1日時点では、22,009校(64.9%)に導入されています。
https://manabi-mirai.mext.go.jp/document/siryou/ - 文部科学省「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進」
コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に進めるための考え方や、学校・家庭・地域が連携・協働する際のポイントなどがまとめられています。2026年3月に最新の手引きが掲載されています。
https://manabi-mirai.mext.go.jp/document/guideline/ - 文部科学省「学校と地域でつくる学びの未来」
コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組み、全国の取組事例、関連資料などが紹介されています。学校と地域が継続的に連携・協働していくための情報を確認できます。
https://manabi-mirai.mext.go.jp/
※制度や取組内容は変更される場合があります。詳しくは文部科学省の最新情報をご確認ください。

